れいるのおと

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大幅減便される常磐線の特別快速の話

2022年春のダイヤ改正の詳細が発表された。

今回注目したいのは、常磐線の特別快速の大幅減便について。常磐線の特別快速は、現在10時~15時台に上下線毎時1本ずつ計6本運転されている列車で、品川~土浦間で運転されている。停車駅は新橋、東京、上野、日暮里、北千住、松戸、柏、取手、取手から先は各駅停車で藤代、竜ケ崎市、牛久、ひたち野うしく、荒川沖に停車する。

ここで、特別快速の歴史を振り返ってみたい。

E531-K401-2
特快と聞くと、中央線の列車が良く知られていると思う。中央特快、青梅特快は国鉄時代から存在し、競合私鉄である京王の特急に対抗するために設定されたと言われる。
常磐特快(とはあまり言わないけど便宜上)の誕生も、きっかけは競合私鉄が生まれたことにある。長らく競合私鉄がなかった常磐線だが、2005年に秋葉原~つくば間を結ぶつくばエクスプレス(TX)が開業。もともと常磐新線として計画が進められていたもので、開業後はJR東日本が運営する予定だったが断念。競合他社となったTXに対抗するべく登場したのが、特別快速だった。


TX開業と同じ2005年に登場したE531系。最高速度130km/h運転を行うTXに対抗して登場したため130km/h運転が可能な車両だ。特別快速はそれを生かすべく登場した種別ともいえる。
停車駅は、上野、日暮里、松戸、柏、取手と取手からは各駅停車で終点土浦まで。取手~土浦間は普通列車として走る(案内上は特別快速のまま)ため、列車本数や時間間隔に偏りがないよう、調整されて運転が始まった。

2015年、上野東京ラインの開業で全列車が品川駅発着となる。また、停車駅に北千住が追加された。これはかなりの波紋を呼んだ出来事。JR東日本管内で乗降者数TOP10入りする駅をすっ飛ばすことが特徴だったのだが、上野~柏間では快速に比べ5分短縮だった特快は、2分増えて3分短縮となった。北千住の利用者が乗るなどの変化もあり、停車駅に加えたことで速達性や存在意義が微妙になった印象を受ける。


2022年改正ではついに大幅減便に乗り出した。
上下線とも2本ずつの設定。上りは新設した9時台と10時台の列車、下りは15時代と新設した16時台の列車のみとなる。ここ最近、JRでは快速列車の減便や停車駅増加が目立っており、それらは快速アクティー埼京線快速などで行われている。

そういった速達列車の差別化が曖昧になっているところを見ると、特快が廃止される日が来るのかもしれない。たしかに常磐線では、早期にライナーの廃止と特急格上げが行われており、また取手以南の快速運転、取手以北とも駅間が長い。つまり快速以上特急未満の列車の必要性は、他路線に比べて低く、下手に種別を増やさなくても良くない?という結論に至る。

加えて、競合するTXは常磐線から西に数キロ離れた地点を走っているが、常磐線との直接的な接続はなし。TX沿線人口は右肩上がりを続けているけど、常磐線が選択肢に入るほど両線は近くない。競合他社と言えるのかはもはや微妙であり、そのこともあって特快の大幅減便に乗り出した可能性がある。もちろん単なる憶測でしかないのだけど。


速さ、快適さを得たいならお金を払いましょうと言うことなのだろうか。長らく続いた無料または格安の速達列車がどんどん減っているのは非常に残念。実験的にいろいろあった時代は楽しかったなぁ...その辺の研究はもう打ち止め、今後は尻窄みになっていくかもしれない。悲しきかな。




今回はこの辺で。


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