そんな伊予鉄で活躍する観光列車が"坊っちゃん列車"だ。世にも珍しい路面電車軌道を走るミニSL列車である。
1888年開業の軽便鉄道を出自とする伊予鉄。軌間が762mmだった当時、小さなSLが市民の足として活躍していた。夏目漱石の小説「坊ちゃん」で「マッチ箱のような汽車」として登場したそのSLは、いつからか"坊ちゃん列車"と呼ばれるようになる。
時代の流れか電化が行われ、列車は電車が主流に置き換わった。かつての坊ちゃん列車を観光のシンボルにしようと復活が計画され、2001年に復活運転がスタート。以来、20年以上も愛され活躍を続ける列車となっている。
市内と道後温泉までを結ぶ坊っちゃん列車。
復活にあたって、当時のものに模した制服で統一したり、かつての汽笛を再現するなど、当時の世界観にできる限り寄せて用意された。
車両の製造は機関車・客車とも新潟鉄工製。
機関車は、環境的配慮や煙の問題からディーゼル方式が採用され、ディーゼル式のSL風機関車となっている。客車においては、今では珍しいねじれ式連結器を採用。車内には木製のベンチが並んでおり、再限度はかなり高い。
外観や煙、サウンドなどSLらしい演出が完璧で、全く見劣りしない。この再現にはとても手間がかかったとのこと。坊ちゃん列車は2編成いるのだが、それぞれ時期が異なるモデルを復元しており、それぞれが細かな点まで違いが再現されている。すれ違い運転を見ることも可能で、少しマニアックだが乗り比べても楽しいだろう。
料金は松山市~道後温泉まで大人(子供)1300円(650円)。
訪れたこの日は満席で乗車は叶わなかったが再訪時にぜひ乗車をしてみたいもの。ここまでやってしまう企業努力にちょっと感動すら覚えたのだった(笑。
今回はこの辺で。
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