れいるのおと

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ローカルながら複線の室蘭本線 岩見沢~苫小牧間を乗る

JR北海道室蘭本線は、長万部から海沿いを走って室蘭・苫小牧を経て岩見沢まで続いている路線だ。
長万部~苫小牧間は、小樽・ニセコを経由する函館本線よりも速達性が高いとして、往年の夜行列車や特急列車、貨物列車が往来。列車本数は少なくなく、JR北海道管内の主要幹線として重要な路線となっている。


一方、苫小牧から先の区間に入ると、雰囲気は一変。石勝線の追分を経由し岩見沢へと続いているのだが、列車本数は少なく特急列車の設定もない。今回は岩見沢~苫小牧間を乗車したレビューを綴ってみる。



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乗車したのはキハ150形。2022年度時点では、苫小牧~岩見沢間はキハ150形とキハ40系が担当しており、今回引き当てたのは前者の方だった。
列車は岩見沢を発車後、軽快に加速していく。函館本線と並走しながら、岩見沢操車場跡を通り過ぎると、大きく左、右へとカーブして志文駅へ到着する。
この変わった配線は、もともと複線だった証だ。かつては志文駅からまっすぐ北上する線路と操車場経由する線路とで上下線が分けられていた。操車場ルートが廃止後、北上ルートで運転されていたが、途中にある踏切を回避すべく、操車場ルートが復活。北上ルートが廃止となり、現在の配線に至っている。


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複線となっていた区間は、岩見沢~志文、栗岡~由仁、三川~追分~岩見沢。うち複線利用がされているのは追分~苫小牧間のみだ。
営業に使用されていない複線区間の現況は、線路が残っている場所から跡地であったことが垣間見える程度のものまでまちまち。上記1枚目の写真は栗山~由仁間で撮影したもので、この区間では一部線路が残されていた。

追分駅へ近づくと、左から石勝線が寄ってくる。追分駅では線路本数が多くにぎやかになった。
追分が乗換駅であるのは人も車両も同じ。追分~苫小牧間のみ室蘭本線を経由する貨物は、ここから帯広方面へ分岐するのだ。


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追分を過ぎると、ここから苫小牧まで現役の複線区間。この追分~苫小牧間が過剰設備と言われる区間であります。
長い直線区間が続いていて、見通しが良くて線形が美しい。途中、岩見沢行きのキハ150系と離合。お互い単行の気動車がすれ違うシーンはちぐはぐさが感じられた。


この整った複線設備は、石炭輸送の貨物列車が往来していたことに由来している。かつて北海道の各地に石炭炭鉱があり、室蘭本線はそれらを港へ運ぶ路線として計画された。1892年、北海道炭鉱鉄道により岩見沢~室蘭間が開業。これが現在の室蘭本線の元となっている。
この出自を知ると、室蘭本線には相当な本数の貨物列車が走っていたことは容易に想像ができる。実際、その当時は旅客・貨物合わせて100本以上の列車が往来しており、相当ひっ迫していた状態であったことがわかる(※諸氏のサイト参照)。複線化された理由は納得だ。

しかし、産業革命が起こり石炭燃料の時代が終了。炭鉱の閉鎖が相次ぎ、石炭輸送で用いられた路線の多くが廃止となった。現在の列車運転本数は、貨物が下り1本・上り3本、旅客が下り9本・上り8本と少ない。旅客の主要幹線への転身が叶わず、過剰設備と言われる路線になった。


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沼ノ端を過ぎると、日本一長い直線区間に入る。ここから白老駅まで28.736kmの直線が続いている。
先ほどの直線区間よりも、アップダウンが少なく揺れが少ない。これだけ長い直線を走ると気持ち良い。


こうして列車は終点 苫小牧へ到着。乗車時間は約1時間半、75.8kmを走破した。なかなか興味深い路線でありました。



今回はこの辺で。


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