EF510は、2004年から運用されている交直流対応の電気機関車だ。0番台が2004年にJR貨物でデビュー。500番台は2010年にJR東日本でデビューしたが、16年にJR貨物に移っている。
よって現在はJR貨物が全車所有しており、主に日本海側の貨物列車に充てられている。
そして2021年、そんなEF510に新たな形式が加わった。
それがEF510-300番台、"九州仕様"として製造された番台だ。従来車両から仕様が変更され、交流区間の運転が多いことから交流回生ブレーキを搭載。外観の塗装も変わり、新たに「Red Thunder」の愛称とロゴマークが付けられている。
2021年末に301号機が量産先行車としてデビュー。写真は運用に着く301号機を撮影したものだ。
新塗装となる300番台のカラーは、シルバーに下部が紺、差し色に赤が用いられている。塗装もレッドサンダーのロゴマークもとてもかっこいい。
300番台投入の主な目的は、もちろん既存車両の置き換え。九州ではEF81やED76など国鉄釜が今も活躍している。活躍中の車両たちは、その形式の中では若い個体ではあるものの、車齢30年を超えている。
老朽化や故障しやすい車両から運用離脱・置き換えが進むと見られている。2023年度以降に量産車が投入される予定との発表もあったので、次第に置き換えが進行していくだろう。
現時点(2023年9月)では、301号機のみがJR貨物 門司機関区に配置されている。運用は日豊本線を担当しており、延岡まで毎日顔を見せる。
ちなみに日豊本線は、難所として知られる宗太郎峠がある路線だ。機関車にも青春18キッパーにもネックな区間を真っ先に任せたのは、EF81、ED76にこれ以上の負荷をかけまいとする配慮なのかもしれない。
最後に...
少し気になるのは、九州にEF510を投入したこと。交直切り替えが必要なのは関門トンネルを越える時だけ。九州管内の貨物ならば新しい交流機関車を作れば事足りてしまう。
かつてEF81重連で担当していた関門海峡超えはパワーもあるEH500が担当中。こちらは置き換えや増備に迫られているわけでもない。なぜ敢えて高価なEF510を作ったのだろう...?設計変更の手間と将来的な汎用性を考えた結果なのかもしれませんね。
今回はこの辺で。
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