寝台特急サンライズ号は、現在国内で唯一定期で走る寝台列車。出雲号(出雲市行き)と瀬戸号(高松行き)の2種類があり、東京~岡山間は連結して運転されている。
往年の寝台特急と同じく、いくつかの部屋タイプが存在する。寝台券アリで乗れる「ソロ」「シングル」「シングルデラックス」「シングルツイン」「ツイン」の5つのタイプの部屋と、寝台券なしで特急券のみで乗れる「ノビノビ座席」がある。
その中で筆者が今回乗車したのは「シングル」。今回は「寝台特急サンライズ出雲号 出雲市行き」に乗車し、途中米子駅まで向かった。
東京駅9番線に停車中のサンライズ号。発車は22時ちょうどだが、ホームの入線は21時35分頃。撮影や見学のために早めにホームに行くのはおすすめだ。
食堂車や車内販売はないので、コンビニでビールやおつまみ、朝ごはん等を買い込んで乗車。
乗車してすぐに確保しておきたいのがシャワーカード。
サンライズ号には3、10号車にシャワー室が備えられており、利用するには1枚330円のシャワーカードが必要になる。枚数が限られており、実質早い者勝ちになっている。
ちなみにシングルデラックスに乗車すると、無料のシャワーカードと専用のシャワー室があるので、こういうプチ争いする必要はなくなる笑。
シャワーカード販売機。同じ車両にシャワー室、自販機、ラウンジも付いている。
シャワーカード。使用すると小さな黒ポチが付くだけなので、記念品として持ち帰れる。
無事、カードをゲットしたのでお部屋へ向かった。今回は眺めのいい2階席を利用することにした。
ホテルのような廊下を進む。285系の内装はミサワホームが手掛けており、2014年頃には内装のリニューアルも行われた。木目調の壁とカーペット、照明がいかにもホテルらしい雰囲気を醸し出しており、往年の寝台特急のそれとはテイストが少し異なる。
また、使われていない部屋は基本的にドアが開いており、他の部屋の様子を覗くことができた。ちょこちょこ撮影はしたがそれはまたの機会に。
実は筆者は寝台特急初乗車。わくわくしながら廊下を進み笑、利用する部屋に到着。
うーんまさにこれぞ寝台といった感じ(笑)。これに乗りたかったのですよええ。
「シングル」は分類上B寝台に分けられるのだが、個室になっているためかつてのA寝台と並ぶまたはそれ以上のグレードに感じる。まぁ乗ってる当時はグレードなんて関係なく、楽しくてしょうがなかった(笑)。
壁には鏡、ミニデスクに紙コップがサービス。リネン関係は枕と軽めの掛布団、部屋着(バスロープっぽい)が付いている。
足元にはゴミ袋。
灰皿も付いている。
利用した14号車は、今となっては珍しい喫煙車。ひょっとすると今日本で唯一残る喫煙車かもしれない。
もちろん切符を取った時点で把握してある程度の臭いは覚悟していたのだが、廊下を歩いたときにそれっぽい臭いがするくらいで、部屋にいる時は気になるレベルではなかった。
他には空調とハンガー、目覚ましが付いているコントロールパネルがある。クッションやコントロールパネルがあることから、こちらに頭が来るように寝るのが正解っぽいですね。
ドアは4桁の暗証番号を入力してカギをかける方式。これは毎回リセットされるので同じ番号でも違う番号でも何でも良いみたいだ。
内側からはしっかりと鍵もかけることができ、のぞき窓も付いている。
一通り部屋の観察を済ませたのでベッドへ。
横になってみる。ブラインドは遮光性があるもののよう。翌朝はこれが結構重宝しました。
着替えてる時とか寝てる時とか、いくら2階席でもブラインド全開だと見えてしまうので注意。
寝心地は悪くなく、座席のようなクッション性のあるベッドだった。
なんだかんだで出発時刻。22時ちょうど、列車は夜の東京を出発し東海道線を下っていく。
悪酔いを避けるためにノンアルビールで1杯。車窓に流れる夜景を観ながらのんびりするという、これぞ寝台列車の醍醐味、素晴らしく最高な時間を過ごした。
まだ通勤客も多い時間帯に電車の中で横になって揺られるというのは、快適な上になかなかの優越感も感じられる(笑)。
2階席というのは重心の関係からよく揺れるとも言われているのだが、個人的にはあまり気にならなかった。そもそも電車って揺れるものだし、通勤電車で座って寝られるくらいの人なら気にならないのではないかとも思う。
さて、熱海を過ぎるとまもなく0時。夜も更けてきたので寝る支度を。
車端部には洗面台が設置されており、ここで歯磨きなどを済ませた。
こちらはシャワー室。リンスインシャンプーとボディソープが備え付け。
シャワーカード1枚で6分間シャワーが使える仕様。物足りないかもと思っていたが、2分余るくらいゆとりがあった。シャワーカードは何枚売られているのかわからないが、これだけの水をどこに溜めているのかが気になるところ(笑)。
脱衣所にはドライヤーも付いている。足元の黒いすのこは、出る時にボタンを押すと圧縮空気で水しぶきを吹き飛ばすシステムが付いているという用意の良さ。
シャワーを浴びた後、部屋に戻って就寝。ちょっと早起きして、岡山駅での解結作業を観ることに。
6時27分、岡山駅に到着。岡山ではサンライズ出雲とサンライズ瀬戸に分かれる。
先に発車するのは前に連結されているサンライズ瀬戸号であるため、解結作業を最後まで見られるのは出雲号に乗車した人のちょっとした特権だ。
岡山から先は伯備線をひたすら走っていく。カーブが多く単尺レールなのもあって割と揺れるものの、景色も良くて楽しい。岡山から終着出雲市まで3時間半はあるので、かなりのんびりできる。瀬戸号は8時前には終点高松に着いてしまうので、朝のんびりできるのも出雲号乗車の特権だろう。
旅程の関係で終着までは乗らず米子で下車、サンライズを見送った。
思ったより快適だったサンライズ号。あぁ楽しかった!!(笑)
カシオペア、北斗星、あけぼの、はまなす、日本海、トワイライトEXP等々、つい最近まで残ってた寝台列車にも乗っておけば良かったなぁとつくづく思う。乗車率を少しでも上げるためにも、なるべく利用していきたいですね~
今回はこの辺で。