国鉄からJRになった後の1988年、783系「スーパー有明」がデビュー。頭に"スーパー"を付けた特急列車は、定期列車では初めての登場だ。スーパー有明はたった2年で運転を終了してしまったものの、スーパーひたちやくろしお、雷鳥、とかちなどなど、次々に"スーパー"を冠する特急列車が増えていった。
"スーパー"は、「新型車両で運転される」「どの特急よりも速達性に優れている」といった特徴をアピールすべく用いられていた。国鉄からJRという新体制になり、新しい風を感じさせる車両とそれにふさわしい列車名が用意されたのだ。
後に、スーパーという言葉は突出した特徴を示す意味でも用いられ始める。例えばスーパーこまちであれば「当時主力のE3系ではなく最新のE6系で運転される速いこまち」、スーパービュー踊り子は「大きな窓、ハイデッカー構造で展望に優れている」など、本来とは少し異なる使われ方が見られていた。
ここで、JR定期特急列車でスーパーが付くものを挙げてみる。
JR北海道:スーパーとかち・北斗・おおぞら・宗谷・ホワイトアロー/カムイ
JR東日本:スーパー白鳥・ひたち・あずさ・はつかり・ビュー踊り子・こまち
JR西日本:スーパーくろしお・雷鳥・いなば・おき・やくも・まつかぜ・くにびき・はくと
JR九州:スーパー有明
JR東海はスーパーではなくワイドビューを冠する列車を投入、JR四国は国鉄時代のまま列車名を付けたため、両社とも"スーパー"列車はない。
このうち、現在も走っているのはJR西日本のいなば、おき、まつかぜ、はくとの4列車のみだ。
国鉄車との区別の意味合いが強かった"スーパー"列車だが、時の流れとともに国鉄車は消滅し、各路線には"スーパー"列車のみに。今ではそれら"スーパー"列車も車齢により引退を迎え、スーパーの冠が見直されるようになった。
全国的に列車名の統一が行われており、違いについて尋ねられることも多かったのではないかと思われる。また、速達タイプと停車駅多いタイプの列車は列車名で分ける、本来のシンプルな列車名を再起させよう、といった風潮もあり、スーパー列車はいつしか数えるほどになってしまった。
スーパーが付く特急列車の衰退は、1つの時代の終焉といえるのかもしれない。それら列車は何かしらの特徴があることが多く、いわば尖っていた。個人的にはそれがオタク目線では楽しくおもしろく好きで...。風変りな車両、列車がまた登場してくれるといいなあ(笑。
今回はこの辺で。
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