れいるのおと

旅、鉄道、飛行機、ひとり言。あれこれかじって語りたいだけのブログ。

ドイツ "世界最古のモノレール"に乗ってきた

ドイツには世界最古のモノレールがある。それがヴッパータール空中鉄道(独:Wuppertaler Schwebebahn)だ。

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ドイツ  デュッセルドルフ近郊を走るこのモノレール。直訳ではヴッパータール懸垂式モノレールなのだが、空中鉄道という和訳で呼ばれることが多い。
モノレールは、線路に跨る"跨座式(こざしき)"とぶら下がるタイプの"懸垂式"があるが、こちらは見ての通りぶら下がるタイプの懸垂式のもの。中でもとりわけ特異的な機構を持つため、設計者の名前を取って"ランゲン式"とも呼ばれているモノレールだ。


開業は1901年。建設から100年以上が経過している今でも現役で営業しており、モノレールとしては最古のものだ。車両などの設備は更新されているが、おおまかな機構は登時のままだそう。フォービンケル〜オーバーバルメンの約13kmの区間を結んでいる。


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車両は、2015年以降に登場した新しい車両。淡い水色が可愛らしく、また外付け扉なのが海外の鉄道車両らしいなと感じる。
車体、車内とも現代的なのに対し、レールや車輪は剥き出しで開業当初の形態のまま。この違いが対照的で、技術的進歩が表れているようにも感じられて良い。




乗車方法は簡単で、駅構内で切符を買って乗るだけ。信用乗車方式が採用されているため、改札はないし、駅員がいない駅がほとんどだ。日本ではまず見られない信用方式、初見ではかなり驚きました(笑)。

車内の椅子の座り心地は硬め。木の椅子に座布団を敷いたようなもので、ほとんどベンチに近い。短距離だから大して問題はないだろう。
座席は端に寄って配置されているのだが...モノレールでこの配置は、バランスを取るうえで正しいのか笑?

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列車が走り始める。大きく揺れることに驚いた。
レールのジョイントや駅での乗降時、風が吹いたらある程度車両が揺れる。日本ではタイヤで走行するものが主流であるため、この機構、音、振動などすべてが斬新に感じられた。慣れない揺れで、ちょっとだけ怖い。

もちろん安全な乗り物なんだけど、過去に何度か車両が落ちた事故があるようで...ネガティブなことを少しだけ考えながらも、終着駅に到着。乗車を終えたのだった(笑。


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このモノレールはワンマン運転で営業を行っている。
また機構上、逆向きでの運転ができない。そのため、終点駅ではターンして切り替えし、始発用ホームへ入線する。Nゲージ並みの急カーブをする鉄道はなかなか見られないので、ここも見どころの1つだと思う。


よって、運転席は先頭1つだけ。最後尾では後方展望を楽しむことができるようになっていた。ほとんどが川の上を走るため景観が良く、ドイツの美しい街並みを存分に楽しむことができる空中鉄道だった。




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最後に、このモノレールの機構とやらを見てみたい。実車のものと、フォービンケル駅近くにある旧車両の車輪の展示の写真を並べてみる。

このモノレールの足周りの大まかな構造は、レール1本に車輪を噛ませる仕組みだ。H型の車輪がレールを挟み、そこからアームでぶら下がる方式となっており、とてもシンプル。まさに言葉通りモノレールになっている。また、このモノレールを元に上野動物園モノレールなどが開発されていて、確かにどことなく構造が似ていた。
残念ながらこのランゲン式が世界に普及することはなく、採用されたのはこの路線と、同じくドイツの「ドレスデン空中鉄道(ケーブルカータイプのモノレール)」のみ。機構や歴史などなど、一見の価値ある鉄道路線だった。



今回はこの辺で。


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