れいるのおと

旅、鉄道、飛行機、ひとり言。あれこれかじって語りたいだけのブログ。

TOHOKU EMOTION 列車内で本格フレンチを食す旅

JR八戸線の観光列車「TOHOKU EMOTION(東北エモーション)」。この列車の乗車記と"ランチコース"の本格フレンチのレビュー(食レポ)。

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キハ110系を改造して2013年に登場したTOHOKU EMOTION。JR東日本の観光列車シリーズ"のってたのしい列車"の1つで、土曜・休日に八戸線で運行されている。
列車は3両編成、コンセプトは「移動するレストラン」。景色を眺めながら食事と移動を楽しむことができるのだ。八戸線を1日1往復運転されていて、往路の久慈行きではランチコース、復路の八戸行きではデザート&アフタヌーンティーコースが設定されている。

今回は、そんなTOHOKU EMOTIONの八戸発 久慈行きのランチコース列車に乗車する。


・TOHOKU EMOTION 列車でアフタヌーンティーを楽しむ贅沢旅



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列車は団体専用列車の扱いで運転されている。よって時刻表に列車の記載はなく、当日利用もできない。事前にインターネットで予約を入れて、乗車する旅行商品タイプでの運行となっている。

車両の外装は、E6系新幹線やメトロ16000系のデザインでお馴染み、フェラーリのデザイナーとして知られる奥山清行氏が担当した。白いレンガをイメージしたラッピングでお洒落なレストランを連想させる。専用のロゴマークはシンプルで美しいデザインだ。
レストラン列車の入り口は、ライブキッチンを有する2号車。入口にはちょっとした屋根の張り出しや灯篭が吊ってあり、"レストランに乗る"演出がされていた。


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列車に乗り込むと、まずは作りこまれた車内に驚いた。2号車はライブキッチンスペースがあるとは聞いていたものの、ここまで完全な調理設備があるとは思わなかったからだ。単なる調理場ではなく、見(魅)せられるキッチンとなっていて、これまた見ているだけで気分が上がる。ちなみにこの車両の形式はキクシ112-701。「食堂車=供食設備を持つ車」の定義そのまま、食事を用意する場として1両まるごと贅沢に使われている。

キッチン内ではクルーの方々が食事の準備中だった。車内に入るとすぐにメインデッシュの魚料理とソースの香りが感じられ、空腹を刺激される。つい、ここは列車の中なのかと疑いたくなった。


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さて、2号車を抜けて3号車へ。
3号車はオープンダイニングスペースとされ、2人掛け、4人掛けのテーブルが並んでいる。写真右が海側であるため、2人掛け席は山側という配置だ。
窓と窓の間に暖色系の照明が灯り、床には幾何学模様の絨毯が敷かれている。雰囲気やインテリアが凝っていて、そこらのレストランと何ら遜色ないと思えた。こういう場に慣れない筆者はすげぇすげぇと連呼しながら(笑)、予約した2人掛け席に着席した。


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お食事は、シーズンによりメニューと担当シェフが変わっていくスタイル。この乗車では、地元 青森の食材を用いたフランス料理を提供するレストラン「Lian」のシェフ 上原氏が監修したメニュー。公式HPから引っ張ってきた品名を載せておく。

・前菜
グレッドレギューム
カリフラワーのムース
鹿肉のパテ プラムのチャツネ
鴨肉の燻製 焼きネギ フレンチスタイル
サーモンの燻製とカブのタルタル

・魚料理
タラのムニエル クリーム煮込み

・メインディッシュ
牛ホホ肉のコンフィ

・プティ・フール
小豆のクレームブリュレ
チョコレートのテリーヌ
焼きリンゴとカスタードクリーム


まずはウェルカムドリンクをいただく。りんごのサイダー(?)で、これがさっぱりしていてとても美味しい。ウェルカムドリンク限定の品だそうで、美味しいだけにちょっと惜しい。
お食事は前菜からデザートまで大変美味な逸品だった。コース料理は、美味しさと美しさの両立された起承転結があるお料理と、サービスの方々の心配りなどが楽しめる点が良い。それらはどれも損なわれておらず、さらにそこに美しい車窓が加わる。ゆったりと贅沢な時間を過ごすことができた。

乗車時間は約2時間、途中下車はなく終点の久慈駅までノンストップで走る。長いようであっという間の乗車だった。沿線の名所紹介や沿線民の方たちのお見送りなどもあり、観光列車としても楽しめた。こういう着地営業型の観光列車は魅力があって良いですね。


ちなみにお値段は、2人利用で1人あたり8600円。運賃も含まれてこの価格である。
メニューや座席タイプによりお値段が異なるが、大体1万円前後と考えて良いだろう。八戸線を片道乗り通せば運賃1340円、この日の価格なら7000円程度でコース料理と観光列車に乗れたことになり、これはかなりお得と言えるのではないだろうか。

単価やコスパがどうこうではなく、何かを体験をするために払う金額としてこれは安い。いや、金額で見れば安くないけど、これだけ払う体験ができたと感じられた、ということ。今年10周年を迎えるTOHOKU EMOTION。長く走る列車には人気があり、それにはそれなりの理由があるんだなと思わせられたのでした。



JR東日本 TOHOKU EMOTION


今回はこの辺で。


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