れいるのおと

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283系 特急くろしおのグリーン車と前面展望を楽しむ

283系で運転される特急くろしお。前面展望が楽しめるグリーン車の乗車記。

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京都・大阪から和歌山県の白浜・新宮を結ぶ特急列車くろしお。西日本地域有数の観光地へ向けて走る特急列車であり、現在は3つの形式で運転されているという珍しい列車でもある。今回は中でも特に人気の283系が充当される列車に乗車する。


283系は1996年デビュー、リゾート特急としてかなり意匠を凝らした逸品だ。斬新な色使いとスタイリッシュな造形が非常に美しい。車両の形からイルカやドルフィン、車両愛称や登場時の列車名で用いられたオーシャンアローなどが283系の代名詞となっている。登場から一貫して特急くろしおを担当、デビューから25年以上が経過し、くろしお担当の3形式(283系・287系・289系)のうち最も古参の車両となった。



そんな283系の車両総数はわずか18両。18両の内訳は6両基本編成×2、3両付属編成×2、これ以上は製造されなかったために希少形式となっている。
運用は基本編成が充当、繁忙期の増結に付属編成がくっつく。車両検査時や何らかの不調があった場合は付属編成をつなげて投入されている。
283系の目玉と言えば、先頭車のグリーン展望車。基本編成では白浜・新宮寄りの1号車、2本の付属編成で代走する場合は大阪寄りの6号車がこれに当たる。1号車/6号車のどちらにグリーン車が連結されるかによって、上り/下りのどちらで前面展望が楽しめるかが異なってくるのだ。
充当列車は下り3・13・17・33号、上り6・16・20・32号。定期で走っているうえに時刻表などでも記載があり、乗車はそこまで難しくない。


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283系グリーン車は、少し古さは見え隠れしながらもどこか新しい風を感じる室内となっている。照明の位置や照らし方、座席の色、大きな窓。広々とした印象を受けながらしっかり落ち着きがあり、サロンという表現が向いているだろうか。
座席配置は2+1。車両中央部で配置が逆転しており、これは振り子式車両の特徴の1つだ。重量バランスを取る狙いがあり、JR北海道キハ281系などでも同じような配置が見られる。


とはいえ現在、振り子式は完全に停止しているよう。振り子式が無くても走破できるダイヤ、振り子式の維持費の削減、他のくろしお2形式との仕様統一などが理由とされる。よって、これら配置は今や振り子式の遺構と化している。

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座席は、色は違えど椅子そのものは他形式でも使われているものと同じようすだった。これはJR特急ではよくあること。僕の乗車歴で言えば381系特急やくものパノラマグリーンの座席と同じだろうか。

シートピッチは1160mm、JRグリーン車では標準的な広さで不便はない。フットレストがあるので、リクライニングと合わせて程よい角度でリラックスでき、また3列配置で座席1つ当たりの幅が広く取られているため、グリーン車らしいくつろぎ感があった。
テーブルはひじ掛けに装備、座面裏にはフックとマガジンポケットが用意されている。大きい窓と車内の雰囲気、そしてこの幅広ゆったり座席により快適なグリーン旅を楽しむことができた。


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最前席では、その快適さにさらに景観の良さが加わった。
運転席と客室を仕切るのは1枚の窓ガラスのみ。ガラスは磨かれているのだろうか、とても綺麗で不快な思いひとつせずに前面展望を楽しめた。特急くろしおで前面展望が楽しめるのは283系のみ。わざわざこの列車を選ぶ価値は十二分にある。最古参であり、近年は故障も少なくないと聞く。乗車や撮影は早めの方が良いのかもしれない。

 

 

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ところで、列車名の"特急くろしお"とはやはり太平洋の黒潮が由来だ。広告などではくろしお号が海沿いを走る写真が用いられており、くろしお=海のイメージが個人的には強かった。
しかし、紀勢本線は海沿い区間は白浜~新宮間に集中しているうえ、かなり限られている。さらにくろしお号の多くは白浜折返しで、今回乗車したのも白浜行き。結果、海があまり見られず、前面展望×海を期待した私には少しがっかりな乗車旅となりましたとさ(笑。



今回はこの辺で。