れいるのおと

旅、鉄道、飛行機、ひとり言。あれこれかじって語りたいだけのブログ。

SLばんえつ物語 展望車付きグリーン車に乗ってきた

JR東日本の「SLばんえつ物語」。グリーン車の乗車記。



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磐越西線の「SLばんえつ物語」。1999年から運転される人気列車だ。

C57型蒸気機関車が12系客車7両を牽き、休日に新津〜会津若松を往復。片道2時間半の経路をSL単独で牽引しており、動態保存が行われるSL列車の中では行路、牽引車両数ともトップ。それが長年継続して運転されている稀有な列車なのであります。



使用される専用の12系客車は7両編成。車両は何度か模様替えを行っており、現在のオコジョ塗装は3代目だ。
今回乗車したグリーン車は、新潟寄り先頭車にあたる。こちらは足回りはそのままに客室部分を新製、2014年からグリーン車として提供されている車両。今回はそのグリーン車に乗車した。




 

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座り心地:3.2
座席:リクライニングのみ
コンセント:なし

内外装とも大正モダンなテイストで統一されたオコジョカラー。絨毯敷きとスェード生地の座席が並ぶ車内をよく見ると、12系オリジナル要素もしっかり残っている。大正モダンと12系オリジナル要素のバランス絶妙で、個性を残したまま新たな空気感を醸し出しているような印象を受けた。つまり、とってもイイ。

座席は大型のどっしりしたもの。シートも肘掛けも幅広で、3列配置という贅沢な仕様。
椅子はソファ仕様で、深めのリクライニングが効く。
座り心地はフカフカ...とまではいかないけど、ちょっとした沈み込みはある。ちょっと硬い感じのソファ席。
背面はストレートで、背中の形に沿って曲がっていない。そのせいか、姿勢がどうも微妙。長時間乗車には厳しいかな。超快適でずっと座ってたい椅子ではない。


とはいえ、同じ車両にはグリーン車利用者限定の展望車があるし、編成中程にはラウンジカーもある。気分に合わせて座り変えると良いのではないだろうか。

座席だけで見れば、グリーン車らしい贅沢さは見た目だけな感じもするのだけど...ラウンジ利用権とセットだと考えれば充分。客室の新製により窓が開かない仕様なのが残念だったけど、それでも換気はされていたし、各所から舞い込むSL煙で全身が煤クサイ。窓は開かなくて正解かもしれない笑。

 

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こちらはラウンジ。

ガラス張りの展望室は、SL関連のグッズなども展示されていてとてもオシャレ。列車の中とは思えないようなインテリアだ。

乗車したのは新潟方面行きだっただめ、SLが目の前に。SLの原始的で機械的な魅力をたっぷり味わうことができた。




 

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乗車した列車は、新津行きの下り列車。15時27分に会津若松駅を発ち、18時43分に新津駅へ到着する。SL列車に3時間を超えるロング乗車ができるのは嬉しい。貴重な機会であります。
列車が駅を進めるにつれて、日が沈み車窓は暗くなっていく。気づけば車内の雰囲気が一変していた。インテリアの陰影がはっきりと表れ、間接照明が優しく車内を照らす。聞こえるのはSLの息遣いと客車らしい軋む音。とても心地良い乗車旅を楽しむことができた。

磐越西線の別名は「森と水とロマンの鉄道」。ロマンとは何か、よくわからないけど、旅情をかきたてるような演出は悪くない。むしろ大歓迎だ。
旅の行程に組み込みたくなる、そんな列車に感じられたのでした。