れいるのおと

旅、鉄道、飛行機、ひとり言。あれこれかじって語りたいだけのブログ。

【大正レトロ気動車】SL銀河に乗って来た!

2023年6月で運行を終える釜石線の観光列車「SL銀河」に乗車した。

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2014年に運行を開始したSL銀河。東日本大震災の復興支援という形で始まったこの列車、近年にしては企画の規模が大きいものだった。
まずはSL。生態保存されていたC58-239を復元。40年ぶりに車籍復活を果たし、SL関連施設、転車台の復活や機関庫や給水施設の新設などを行った。
続いて客車は、JR北海道のキハ141系を買い付けて改造、新たにキハ141系700番台を名乗った。気動車という点を生かし、列車の先頭に立ったり、勾配がキツい区間ではSLを後押し。補機の役目も兼ねた役割を担っている。キハ141系はかつては
50系客車だ。久々の客車運用は懐かしく感じたかもしれない。

かくして集められたSL銀河の車両たち。ここまでの規模の企画、投資は近年ではなかなかないだろう。数奇な運命の車両たちと独特の運転方式を持つ風変わりな列車は、たちまち人気列車となったのでした。


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そんなSL銀河の車内は、これまた大変凝った作りになっている。岩手出身の文豪 宮沢賢治氏の小説「銀河鉄道の夜」をテーマに、大正モダンなインテリアになっている。

ワインレッドのクッションが用いられた座席は、分厚く弾力があって座り甲斐すらある。車内の支柱は木製(木目)で統一、壁際にはガス灯やステンドグラスの間接照明が灯っている。
随分と大きく改造したなぁと思わせられたが、各スイッチや天井など各所には種車の面影が残っていた。窓なんかは特にわかりやすいだろうか、だが新たにカーテンが取り付けられており、少し違った雰囲気を纏っていた。
うーん、全体的にイメチェンが過ぎる(褒め)。これらデザインは鉄道界隈でもはやお馴染み 奥山清行氏率いるチームが担当。彼らのマジックは素晴らしいですね。



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車内には宮沢賢治に関する資料や展示物が並んでいた。SL銀河車両の設計イメージやSLのHOゲージ模型まであり、見ていて飽きが来ない。フリースペースは多く、プラネタリウムまである。最近の観光列車はいろいろ工夫が凝らされていて本当に驚かされる。
車内の売店では銀河グッズを販売していた。引退が近いからか、数も種類も豊富。軽食の類は少なめだった。



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乗っていると、ローカル線を気動車で走る感覚に、SLの力強い息遣いと煙の匂いが混じり、どこか不思議な感覚に陥った。SL銀河では勾配がキツい区間では協調運転を行っている。なんとも運転コストが高そうな列車だ笑。
そんな印象を受けながらも、風とジョイント音が心地よい乗車旅であることに変わりはなかった。もっと早く乗りに来てれば良かった。引退前に何か乗るといつも思うけど、この列車は強くそう思われた。

途中、遠野でSL整備で1時間ほど停車し、終点釜石へ。約5時間に及ぶ行路を終えた。
SL列車でこれだけロングランなものは、他にはない。SL列車に長時間乗るという大変貴重な体験が出来ただけでも、乗った価値は充分にあると思う。



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大々的にSL運行が始まったのに、わずか10年足らずで引退とは何とももったいない。だが訊けば銀河の引退は客車の老朽化とのこと。客車の入手とC58のパワーを補う策があれば後継車の運転は可能とも考えられる。ノスタルジーや郷愁では経営が成り立たないのは重々承知だけど、観光列車が、SL運転が存続されることに期待したい。

ひとまず、釜石線の観光列車SL銀河は終焉だ。9年に渡る活躍、お疲れさまでした。最後に1度乗ることができて良かったです。



今回はこの辺で。


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