事実上廃止が確定した根室本線の話

経営が厳しい状態にあるJR北海道。今後、根室本線では新得～富良野間の営業運転を取りやめ、廃止する意向であることが発表となった。
このことは、台風被害で運休を続けている新得～東鹿越間の復旧を断念するとともに、現在営業中の東鹿越～富良野間も廃線となることを意味している。

筆者は、この区間を代行バスと鉄路で完乗している。根室本線が台風被害を受けた後だったため、新得～東鹿越間の鉄路での乗車は叶わなかった。

訪問時は夏で写真も夏に撮影したもの。僕のような旅人を除くと利用者は少なく、維持コストに見合っているとはとても思えなかった。数千円稼ぐために数百万を投じなくてはならない北海道、現実は厳しい。
今後、廃線区間はバスによる転換を検討しているとのこと。正直、僕はこの方が良いと思っている。

かつて、根室本線は日本三大車窓の1つと言われた狩勝峠を経由していた。しかし、急勾配による過酷な運転条件を回避すべく、トンネルを通るルートに転換。根室本線はトンネル区間は石勝線と線路を共有、途中で枝分かれして次の落合駅へ向かうルートを採るようになった。

地図を見ると、狩勝峠と現在の根室本線とが離れていることがわかる。よって、日本三大車窓の1つは失われたことになった。
しかし、代行バスによる運転で狩勝峠の車窓が復活。代行バスが通る国道38号線は旧根室本線に沿うルートを採っており、バスの車内から広大な狩勝峠からの眺めを堪能できるためだ。
路線の運行停止は残念だけど、代行バスで車窓が復活するのなら良いんじゃないかと感じたのだった。