さようならクモヤ143系0番台

先週の話になるが、JR東日本の東京総合車両センターに所属していたクモヤ143系2両が、廃車回送された。
これでクモヤ143系0番台は形式消滅、引退・廃車を迎えることとなる。

令和の時代にも生き残っているという方が驚きだったか。本線上の牽引車としての役目がなくなり、本線走行するシーンは年に数回程度だったJR東日本のクモヤ143系。もっぱら車両基地内での入れ替え用車両として活躍していた。
今回廃車となった東京総合車両センターのクモヤ143-8、143-9の2両については、クモヤ143系の中でも本線上で見かけることが多い車両だったように思う。

訓練での貸し出しで中野へ、全般検査のため大宮へ回送されるシーンがしばしば観られていた。また、数年前には車両基地公開イベントで浦和などへも回送されている。所属先のイベントでも目玉車両として公開されていたため、露出度は高めだった。

引退はいつだろうなーと思っていたところ、昨年からこれら2両の有料撮影会イベントの開催が増えてくる。どうやら引退を前にした最後のファンサービスとのこと。そしてついにクモヤ143系は引退、終焉となったのだ。

個人的には、この形式とはちょこちょこ縁があった。僕が撮り鉄を始めたのは2010年代に入ってから。当時はすでに本来の用途での活躍が終了しつつあった頃だが、残っていた中原や松戸の車両を撮影に出向いたり廃車回送を追いかけたりと、直接見られる機会に恵まれて夢中で追いかけていた記憶がある。検測でも試験車でもない純粋な事業用車という位置づけに魅力を感じたのかもしれない。今後こういった車両はおそらく出てこないだろう。あと残るは西のクモヤを追いかけたいところだが...まず遠いし情報もなく撮影はおそらく困難(笑)。機会があることを願う...。

この形式の消滅により、青15号のボディに黄色5号の警戒色が塗られたカラーリングは、JR東日本管内から消滅することになる。この色の組み合わせも隠れた国鉄カラーの1つ。この塗色も、民営化から35年が経過していよいよ見納めを迎えそうです。