土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の終点「奈半利駅」を訪れた。
ごめん・なはり線、正式には阿佐線というこの路線は、国鉄が建設を試みたが完成せずにいた路線だった。建設されてから長らく未使用、未完成だった高架線は、万里の長城とも呼ばれていたらしい。
後に、高知県が主体となり第三セクター土佐くろしお鉄道が設立。阿佐線を完成させ、"ごめん・なはり線"の愛称で開業した。踏切を無くすため、その路線の多くが高架線で建設されており、地方ローカルながら一風変わった雰囲気を持っている路線である。
そしてこちらが、ごめん・なはり線の終点、奈半利駅。
JR高知駅から直通の快速列車で1時間ちょっとで辿り着ける、高知県最東端の駅だ。
開業は2002年、まだ20年しか経っていない新しめな駅である。
写真が駅全景であるが、津波避難ビルの看板が目立っていて駅名はどこへやら(笑)。売店やレストランなどを併設する駅舎となっている。
この「津波避難ビル」と書かれた場所は、無料で入場可能なオープンデッキとなっている。付近は比較的平野部なうえに周りに高い建物がないため、とても開放的で大変景観が良い。
戻って駅前ロータリーから。
うーん、ロータリーが広々としている分ちょっと寂しげ。
観光地というよりは町があるといった感じ。
改札へ続く駅入り口に付近では、ごめん・なはり線のキャラクター「なはりこちゃん」がお出迎え。
そういえば一時期ゆるキャラブームなんてものがあったなぁなんて。バズったは良いけど、継続して観光促進の役に立っていれば良いなと思ったり。
改札階へ上がってきた。この階には先ほどのテラスやレストランがある。
改札は券売機1つと有人窓口という必要最小限の設備が整っている。改札を抜けるとすぐホーム、列車のドアが目の前だ。
1面1線の単線ホームで、来た列車がそのまま折り返す。ごめん・なはり線では途中の安芸駅や後免駅で折り返す列車も多く、最東端の当駅までやってくる列車は全体の半分ほどだ。
ホーム。
四国らしい色味の駅名版。夕焼けを背景に撮ってみた。
ごめん・なはり線は海沿いを走るうえに高架線がメインであるため、大変景観が良い。自社所有のトロッコ列車が走ったり、JR四国キハ185系の観光列車"志国土佐時代の夜明けのものがたり"が乗り入れるなど、観光路線としての人気が高まっている。
奈半利駅の車止め。
奥に見える山は野根山。この山の向こうは徳島県の甲浦だ。甲浦駅は阿佐海岸鉄道の駅、そこからJR牟岐線阿波海南駅、そして徳島駅へとレールが繋がっている。
元々、甲浦までの延伸計画はあった。が、現時点では未成線であり、計画も工事も進んでいない。野根山は標高1000m程度の山で高くはないものの、建設費に対して需要が低く採算が取れないと予想されるために延伸はしないのだろう。
ちなみにこの区間はバスが走っていて、ここから甲浦に行くことは可能だ。
こちらは駅の反対側。ぷっつりと高架線が途切れているのが違和感がある。この後ろは住宅街、延伸工事はもちろん、それに備えた土地確保なども行われておらず、延伸構想はあるものの開業する見込みは立っていない。
盲腸線は大型観光地となりうるものが無いことが多く、沿線住民の重要な足でしかないことが多い。ゆえに営業係数が高めで赤字、それが廃線や沿線住民減に繋がったりと、盲腸線にはプラスのイメージがあまりない印象だった。
しかしごめん・なはり線は他の盲腸線とは異なる雰囲気や活気が感じられ、頑張ってるな、すごいなと思う節がしばしば(これは四国路線のほとんどで感じられた)あり、負けずに頑張って欲しいと思わせる路線だった。
辿り着いた高知最東端駅は、観光設備が発達途上といった感じでまだまだこれからだろう。今回の訪問ではあまり滞在時間を取れなかったこともあり、鉄道オタク目線での見学と夕日を眺めるだけになってしまった。
今後の観光地としての発展に期待して今回の訪問は終了。次はトロッコか観光列車乗ってかな。また再訪します。
今回はこの辺で。
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