れいるのおと

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【過去画】里帰りしたEF65-535のラストラン

今回は往年のブルートレイン牽引機、EF65-535号機のお話でも。

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2013年3月11日撮影。

EF65-535号機は、元は貨物牽引用として1967年に落成したEF65-77号機。落成後すぐに国鉄により高速化改造が行われる。改造後は新たに535号機を名乗った。
この500番代の車番は高速列車牽引用車両に与えられた番号だ。旅客列車用と貨物用があり、それぞれ英語の頭文字を取ってP形、F形と呼ばれて区別された。
P形の主な運用はブルートレインの牽引。P形はブルトレ牽引のために誕生し、501-512、527-531号機の計17両が新造された。

535号機はブルートレイン増便に伴って改造・誕生したグループの車両である。この時、535-542号機の計8両がP形に改造編入、全車が東京機関区に配置された。
こうしてP形となった535号機は、はやぶさやさくらなどの名列車たちを牽引する花形運用を担当。ちょうど1970年代はブルトレブーム全盛期、535号機を含むEF65-500番台(P形)は大変注目を集めた。


それから10年後の1977年、EF65 PF形7次車という後継車が登場する。PF形に花形運用を譲った535号機は、新鶴見、沼津、その後高崎へ転属。民営化後はJR貨物所有となり、貨物牽引で活躍した。貨物転身後も国鉄特急色のまま活躍を続け、車両更新工事は未施工。往年の姿に近い状態を維持し続けたため、貨物転身後も非常に人気を保ったままだった。

そして2008年、約40年の活躍にピリオドを打ち引退。引退前には惜別ヘッドマークを掲げて運用に就き、これまでの活躍が労い。最後の全般検査ではJRマークが消されてより往年の姿に近くなり、愛された車両だったことが窺えた。
引退後は解体を免れ、JR貨物大宮工場で保管。イベント時には展示されることも多く、その有志を見ることができた。今後の展開が注目される中、2013年に製造元である東芝府中工場への帰還が決定。写真は、ピカピカに整備されて東芝府中工場へ向かう、最後の本線走行を捉えたものである。


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牽引はEF65-2060。11日に新鶴見信へ、12日までにDE10-1055牽引で北府中へ搬入された。

東芝府中工場は、機関車製造を担う工場だ。近年ではEH500やEH800、DD200などが落成している。
ここで535号機は、現在も静態保存されている。通常非公開であるため近くに行って見学することはできない。よって、時折行われる入れ替えで敷地外から目にすることができる程度だが、未だにレールから降ろされていないのは嬉しい。
また、東芝HPには、歴史紹介と社員へのインタビューがされた記事がUPされている。拝見する限り、モニュメントとして、広告塔として今後も保存していく方針の様子だ。解体の噂もあるけど、個人的にはとりあえずは安泰と考えて良いと見た。いや、安泰であってほしい。安泰であれ。

SNSのうpされた写真を見ると、屋外留置された影響か、現状は譲渡時よりも色褪せが目立った外観に。大きな腐食などはなさそうだけど、いつかまた整備されてピカピカな状態になる日は来ることを願いたい。
そしてそうなった暁にはぜひ一般公開もお願いしたい...。鉄道会社ではないのは重々承知の上だけど、そうなったら嬉しいなぁ。




今回はこの辺で。


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