れいるのおと

旅、鉄道、飛行機、ひとり言。あれこれかじって語りたいだけのブログ。

~チグハグが魅力の希少形式~JR九州713系

JR九州の713系を取り上げたい。

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713系は、JR九州の宮崎地区で活躍する車両だ。
国鉄時代末期の1983年に登場、交流区間の地方路線に投入するべく開発・製造された。基本構造は417系がベースとした鋼製車。交流車で初めて回生ブレーキを装備、205系や211系に採用されたMT61を主電動機に採用するなど、新機軸が盛り込まれた。
しかし、国鉄の財政難により、713系の量産化は行わずに既存車の改造で賄うことに。結果として、わずか2両×4編成 計8両のみで製造が打ち切られた超少数派形式となった。

配置先は宮崎車両センター、日豊本線で活躍しており延岡や宮崎空港などに顔を出している。
2023年9月現在、4編成中2編成しか稼働しておらず、運用も朝晩の1運用のみ。ひっそりと絶滅危惧種。そんな形式であります。


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パッと目を引くこの塗装は、「サンシャイン宮崎」色。デザイン担当はお馴染みの水戸岡氏、1996年からこの塗装で、かれこれ20年以上このカラーで活躍している。
デビュー当時は417系同様の白+緑14号帯を巻いていたのだけど、この方が九州らしくて良いかな。派手な見た目もおもしろいのだけど、この車は車内が特に興味深いのです。


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車内。
ロングとクロスの折半、すなわちセミクロスシートの車内となっている。座席タイプが豊富で目がチカチ....いや、とてもカラフル(笑)。どこかの観光列車と思うほどにバラエティに富んでいて、見ていて飽きが来ない。
これらは宮崎サンシャイン改造時に施されたもの。登場時の写真を見つけられなかったのだけど、どんな感じだったのでしょう?
窓や天井部を観ればしっかり国鉄らしさが残っているか。この辺りは手つかずのままな様子。


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さて、車内に並ぶクロスシートだが、これはなんと485系の廃車発生品の座席。座り心地は至極快適で国鉄特急のそれ。まさかこんなところで出会えるとは...初見では大変驚いた(笑)。
ただ、保守装備はまともに行っていないようで、かなりガバガバ。寄りかかると勝手にリクライニングしたりテーブルが軋んでいたりアームレストがバカになってたり...シートピッチもかなり狭い。
博物館で弄り尽くされたような、そんな椅子。とはいえ485系座席に座って移動できる貴重な車両なのだから文句は言えません(笑)。

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車内にはデッドスペースのような場所がいくつかある。運転席後ろの部分はヒーターだろうか、機器の張り出しが強くて座席が置けなかったのかな。現代の車両ではなかなか見かけない造り。

整理券の発券機や優先席もある。優先席は"らしく"ないから気づきにくい。
ヘッドレスト付きの一般車両は東急などで走っているが、それの先駆けかもしれません(笑)。



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朝晩ラッシュの補填的な使われ方をしているけど、もはやこれは追加料金なしで乗れる観光列車。ツギハギでチグハグな感じが個人的な趣向に刺さる(笑)。大変おもしろい車両でした。

年数が古く少数派な車両は維持や部品確保なども大変なはずで...ここまで生きながらえているのも415系などの国鉄車が残ってるおかげなのだろうか。九州で残る唯一の鋼製車体の電車となった今、ひっそり引退してしまう気がしてならない。後継の817系がいるし、415系の時のように運用を減らして廃車するという荒業が行われる可能性もある。

冒頭で1運用しかないと述べたが、訪問時(2023年9月)の稼働車は専ら1編成のみ。かつて走っていた4両運転は行われていない。僕にとってはこれが最初で最後の乗車になるかもしれない...御乗車はお早めに。



今回はこの辺で。


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